名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
「…………」
いつもの時間になってもそうちゃんが来ない。
こういうときに、わたしたちはただの幼なじみなんだって当然の事実が、ふいに胸を突く。
そうちゃんが続けてくれているだけだ。
絶対に来てくれると約束しているわけでもない。
だけど、放課後の教室にそうちゃんの姿が見えないのは、やっぱり寂しい。
そうちゃんにもそうちゃんの予定がある。
今までたまたまなかったり調整したりしてくれていただけで、来られないときだってあるだろう。
うーん、でも今ならまだかろうじて明るいから、一人で帰るなら今帰らないといけないんじゃないかなあ。
……どうしよう。
悶々と頭を抱えた結果、そうちゃんに会いに行くことにした。
教室をぱっと確認して、いないようなら帰ろう。
いたら、一緒に帰ってくれるか聞こう。
そう決めて、揺るがないようにできるだけ固い決意を固めてから、そうちゃんの教室に行く。
そっと様子をうかがおうとしたところで。
「あ、佐藤くんの彼女さん!」
ちょうど教室から出てきた女の子に、なんだか意味不明な呼びかけをされた。
「え、あの、彼女じゃないです」
「照れない照れない」
「照れてません……!」
わたわたと弁解しているうちに、「佐藤くーん、彼女さんが呼んでるよー」と声を張り上げられてしまった。
わああ、だからわたしは別に彼女じゃないって!
いつもの時間になってもそうちゃんが来ない。
こういうときに、わたしたちはただの幼なじみなんだって当然の事実が、ふいに胸を突く。
そうちゃんが続けてくれているだけだ。
絶対に来てくれると約束しているわけでもない。
だけど、放課後の教室にそうちゃんの姿が見えないのは、やっぱり寂しい。
そうちゃんにもそうちゃんの予定がある。
今までたまたまなかったり調整したりしてくれていただけで、来られないときだってあるだろう。
うーん、でも今ならまだかろうじて明るいから、一人で帰るなら今帰らないといけないんじゃないかなあ。
……どうしよう。
悶々と頭を抱えた結果、そうちゃんに会いに行くことにした。
教室をぱっと確認して、いないようなら帰ろう。
いたら、一緒に帰ってくれるか聞こう。
そう決めて、揺るがないようにできるだけ固い決意を固めてから、そうちゃんの教室に行く。
そっと様子をうかがおうとしたところで。
「あ、佐藤くんの彼女さん!」
ちょうど教室から出てきた女の子に、なんだか意味不明な呼びかけをされた。
「え、あの、彼女じゃないです」
「照れない照れない」
「照れてません……!」
わたわたと弁解しているうちに、「佐藤くーん、彼女さんが呼んでるよー」と声を張り上げられてしまった。
わああ、だからわたしは別に彼女じゃないって!