名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
え。

くら、うわああほんとだ暗くなってる!?


慌てて外を見回して、すとんとそうちゃんの言葉が胸に落ちた。


……本当だ。


話している間にだろうか、会いに来たときはまだオレンジ色が綺麗だったのに、いつの間にか、外は真っ暗だった。


そんなの、いっぱいいっぱいで全然気づいてなかった。


でも完全に言い訳だよ。本当に気づいてなかったんだけど、どうしたって言い訳に聞こえるだろう。


ええと、ええと。鈍った頭で必死に考える。


「暗いの怖くなくなったの?」

「…………ええと」


ううう、と黙り込むも、追い打ち。


「怖くなくなったの?」


ねえ。


「答えて」


おそろしく静かな問いかけが、胸に刺さった。


どうしようどうしよう、気づいてなかったとか言ったら完全に言い訳だよね、駄目だよね分かってる。分かってる、けど。


どうしたら……!


目を回している間に、どんどんそうちゃんが不機嫌さを増していく。どんどん剣呑になっていく。


ええと、ええーっと。


流れる冷や汗が焦りに拍車をかけて、うまく働かない思考のまま。

とにかく正直に言ってしまうことにした。
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