名前で呼べよ。~幼なじみに恋をして~
「あの」
「何」
不機嫌な声に、あいている右手を握る。
ねえ、そうちゃん。言い訳をさせてよ。
息を大きく吸って、一息で言い切る。
「一人で帰るとか馬鹿なこと言って、迷惑かけてごめん」
「…………」
「暗いの怖いので、……えっと、その」
尻すぼみになって消えかけるのを叱咤して、もう一度大きく息を吸って。
「また一緒に帰ってくれたら嬉しいです!」
勝手に言い切って、荒い呼吸でうつむいた。
……あれだ。その、あれだ。
嫌だって断られたらおなか痛くなろう。腹痛ときどき微熱で明るいうちに早退しよう。
それがいいんじゃないかな、うん。
必死なわたしの手を、そうちゃんがそっと握り直した。
「……明日は」
「っ」
ぱっと勢いよく横を振り向く。
そうちゃんは前を見つめている。
「明日は、教室にいなよ」
「うん……!」
ぎゅっと握り返したわたしの熱い手のひらを、そうちゃんはもう一度握った。
「何」
不機嫌な声に、あいている右手を握る。
ねえ、そうちゃん。言い訳をさせてよ。
息を大きく吸って、一息で言い切る。
「一人で帰るとか馬鹿なこと言って、迷惑かけてごめん」
「…………」
「暗いの怖いので、……えっと、その」
尻すぼみになって消えかけるのを叱咤して、もう一度大きく息を吸って。
「また一緒に帰ってくれたら嬉しいです!」
勝手に言い切って、荒い呼吸でうつむいた。
……あれだ。その、あれだ。
嫌だって断られたらおなか痛くなろう。腹痛ときどき微熱で明るいうちに早退しよう。
それがいいんじゃないかな、うん。
必死なわたしの手を、そうちゃんがそっと握り直した。
「……明日は」
「っ」
ぱっと勢いよく横を振り向く。
そうちゃんは前を見つめている。
「明日は、教室にいなよ」
「うん……!」
ぎゅっと握り返したわたしの熱い手のひらを、そうちゃんはもう一度握った。