涙が枯れる日 Ⅱ【完】
遥斗は受付を通り過ぎようとしていた…
「え!ちょっと!受付行かないと!」
「あー、大丈夫だ。」
はい?
遥斗の言ってる意味が分からない
「いや、まだお金払ってないよ!」
「もう払ってある」
「いつの間に…」
「そんな事どうでもいい。早く帰るぞ」
「いや悪いよ!返すって!」
と言って財布を出そうとすると…
「そんなに返すって言うなら今夜寝かせねぇぞ?」
とどこから出るのか分からない色気のある声で言った遥斗…。
これは本気だ。
私は素直に「言いません。ありがとう」
と言った
「フッ、それでいいんだよ」
と言って歩き始めた…
車まで着くと
車のドアを自然に遥斗が開けた…
「あ、ありがと…」
「あぁ」
車に乗り込むと、運転席には飛真が居た
「桜花ちゃん退院おめでと〜!よかったね!」
「ありがとう!」
飛真と世間話をしている間に智と隆も戻ってきた
「じゃ、行くよー」
「あぁ」
と車が動き出した
「ねぇ遥斗、今からどこに行くの?」