涙が枯れる日 Ⅱ【完】
「桜花ちゃんに怖い思いさせちゃってごめんね。」
そう言って頭を下げる遥斗のお父さん
「え!?遥斗のお父さん頭上げてください!」
「一般人をここまで怖い思いをさせて怪我までさせてしまったんだ。本当に桜花ちゃんには悪いことを」
「お父さん、頭を上げてください。私は大丈夫ですよ?それにあれは誰も悪くなんかないです」
あれが起こったのは理子ちゃんの嫉妬。
皆が皆、色んな思いを持っていた…。
私だけだ被害者じゃない。
私はそう思ってる。
「遥斗を海外に行かせたのも俺なんだ。辛い思いの中遥斗まで取り上げてしまって悪かった」
私は遥斗から海外に行っていた事を聞いている。
海外に行った意味も
全部私を守るため
「私はお礼をしたいです。」
私がそう言うと遥斗のお父さんが驚いた顔をした
「お礼…?」
「はい!私の事をここまで考えてもらえて嬉しいです!ありがとうございます!」
「そんな…礼なんか」
「いい子ですね、遥斗君の彼女」
そう言って遥斗に笑う佳里さん