涙が枯れる日 Ⅱ【完】
私の目の前に血を流してる…お父さん。
「お、とうさん?お父さん!?」
(だ、誰か刺されたぞ!)
(誰か先生!てか救急車!!)
周りの声なんか聞こえない…
「どうして…どうして!お父さん!ねぇ」
私は横たわるお父さんを抱き上げた…
「お父さん?ねぇお父さん!」
「……ぉう…か…」
「お父さん!?なに?」
「こんな最低なお父さんでごめんな…?お父さん、器用じゃなくてな…。今まで辛い思いをさせてすまない。海にも悪い事を沢山した。桜花は…俺…ゴホッみたいな…男をゴホッ捕まえるな…。遥斗君なら…ゴホッしあ…わせにしてくれる…」
「お父さん?あんまり喋らないでよ!」
どんどん呼吸が荒くなるお父さん…
「桜花は…幸せに…な…れ…」
「もう黙ってよ!!」
「愛してた…桜花…―――海…」
そう言ってお父さんは力をなくした…
「お父さん…?お父さん!?死なないで!ねぇ、お父さん!」
いくら私が呼びかけても起きないお父さん…
救急車が来て、お父さんと私をのせ、病院に言った…
そして、お父さんはこの世を去った…