蛇苺と死神の輪舞曲
家に着くと、案の定リンゴが喜んで走ってきた。
「ただいまリンゴ!」
わたしはリンゴを抱き上げた。
リンゴは、わたしの肩越しにロンドをみていた。
「リンゴにも、ロンドは見えるの?」
「選ばれた者は見ることができます」
ロンドはリンゴの小さな頭を人差し指で撫でた。
わたしはリンゴを下ろし、二階に上がり、自分の部屋に入った。
「犬って、イイデスね」
ロンドはにこにことしながら着いてきたリンゴを見ていた。
「リンゴはね……捨て犬だったの」
わたしは、ロンドに懐いたリンゴを見ながら言った。