蛇苺と死神の輪舞曲
†3†
ロンドは、目を少し見開いて
わたしを見た。
どこかわざとらしいが、それが彼の癖らしい。
「リンゴは、近所の川原に捨てられててね……ある日、台風で川の水が増したとき、流されちゃったの」
わたしの言葉に、ロンドは大して驚く様子もなく
ただ頷いていた。
「それでね…わたし、どうしてもこの子を助けたくて、川に飛び込んだの。
でも、自分も一緒に流されちゃって…。
そしたら、幼なじみの男の子が…わたしを助けてくれたの。
その代わり、その子は川の流れに飲まれて……………次の日……浅瀬で、亡くなってるのが見つかった…」
そこまで言い終わると
わたしは喉が熱くなってきた。
「今でも思うんだぁ……。
……わたしなんか助けなかったら………っ…あの子は死なずに済んだのかなって」
涙を堪えながら言うと、ロンドが、包み込むようにわたしを抱き締めてくれた。
「そんなコト…ありません。
きっとそのコは、イチゴサンを守って死んだコトに、悔いを感じてはイナイと思いマス」