蛇苺と死神の輪舞曲
†4†
ロンドは困ったように微笑んで、そっとわたしの髪に触れた。
「スイマセン…イチゴサン…」
「え?」
「アナタは、本当は今日、あの男に刺されて死ぬハズでした。
そしてその魂を天界に運ぶのが、ボクの仕事。
なのにボクはアナタを守った。
そしてアナタの寿命を延ばしてしまった。
ヒトの寿命を延ばすコトは、死神にとっては御法度デス」
そう言い終わると同時に
ロンドの体がキラキラと光りだした。
「ロンド!?」
「ボクは規則を破りマシタ。
規則を破った者は、この世界から存在を消さなければなりマセン」
「ボクは……アナタのコトを」
ロンドが言い掛けたとき
急にロンドの体が元に戻った。
「アレ?」
ロンドが、不思議そうに首を傾げた。
とその時
―♪―♪
わたしの携帯が鳴った。
「はい、もしもし」
『あ、苺子?!』
「お母さん?」
『は、早く来て!!
拓海が、車とぶつかったの!!
いつ死ぬかわからないって…』
母がそこまで言うと
わたしは、携帯を落としてしまった。