蛇苺と死神の輪舞曲
†2†
先生の向かいに座ると、ロンドが不服そうに教卓の上に長い脚を組んで座った。
「おいおい日野、ここ漢字間違ってるぞー?」
「えっ?」
先生に指摘され、わたしは日誌の教科担当の教師の氏名欄を見た。
現国担当の担任の名が
矢本健登となっている。
「俺の名前は健吾。
健登は数学担当だろー?
間違えるなよぉ」
先生が苦笑いをしながら言った。
「す、すいますん」
先生の顔があまりにも近くにあったため
思い切り顔を逸らしてしまった。
「日野?」
「あ、あの…」
「そういや日野ってさぁ、彼氏いたっけ?」
先生がさらに顔を近付けて来た。
「…い…いや…いませんけど」
「………そっかぁ。
じゃあ…俺、もしやチャンス?」
「は、はい!?」
ふとロンドに目をやると、ロンドは鬼の形相で先生をにらんでいる。
そして、ロンドはふわりと宙に浮くと
先生の背後に立った。