俺は防水加工済み
雨水ははじけない




 窓から見えるのは、雲行きの怪しい空。

 朝は晴れていた。でも、朝も昼間もどこか雨の降りそうな匂いがしてきた。クラスの子にいったら、犬かと突っ込まれたが気にしない。


 天気予報は曇りだったはず。でも、何て言うのだろう。そういう雰囲気というのはあるだろう。

 雨の降った後の土の香りよりも薄く、そして空気に混ざった雨の匂い。




「うそー!降ってきた」




 クラスの子がありえない、と連呼しつつ窓にかじりついていた。放課後で帰ろうとしていた姿もまた、外では慌てて走ったり、鞄から折り畳み傘を出したりしていた。

 私はというと、溜め息。
< 1 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop