俺は防水加工済み





「おー、雨降ってんなあ」



 身長が百八十近くある博也が後ろからそういった。まるで他人事のようだ。傘持ってきたんだなと思ったが「俺持ってきてねえわ。夏美持ってるか?」と聞いてきたのだから脱力。持ってたらもうとっくに帰ってる。いや、違う。博也を待って帰っていたはず。


 けれど、博也と私は通学路が違う。私はバス通だし、博也は自転車で通っている。それでも途中までなら一緒に帰れるのだ。



「仕方ないから、走ってかえろかな」
「じゃあ俺ん家くるかー?」
「どうしてそうなる」



 腐れ縁が何故恋人になったかなんて、恥ずかしいから聞かないで欲しい。



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