俺は防水加工済み
地域こそ別だったが、小学生の時から知っていて、中学になってばったり再会し、高校もまた同じ。へたな同級生よりも付き合いが長かったためか、私の親は彼を知っているし、何故か気に入っている。
そして、博也の家のお母さんに私は何故か気に入られている。まあいいことだと思う。けれど、互いの親が知っているというのはどうも、こう、痒いというか、時おり顔を覆いたくなる。
「じゃあ行こうか。雨降ってるけど」
鞄を手に、玄関に向かう。
同級生カップルはほかにもいる。でも、一番仲良しって言われて出てくるのは私たちらしい。部活の後輩にいわれて驚いたのは最近だ。
喧嘩らしい喧嘩はしないし、なんというか、波長が合うんだろうなって思う。思春期特有の性に関する興味だって、博也は人並みにあるっていうけれど「別に急がなくてもいいだろって思ってるけど」と見た目とは裏腹にそんなことをいうのだ。
博也は、やや見た目が怖い。
身長はでかいし、すらっとしていてかつ強い。昔は野球で、剣道もやっていた。私との身長差が三十センチ以上ある。まるでお兄ちゃんだ。だから、彼にはなんだかほっとする。