オフィス・ラブ #Friends
せっかくの休みなのに、こんな早くから出てきちゃって、バカだなあ。
そんなに競馬が好きなの?
そんなに、あたしに、会いたかったわけ?
薄く開いてる、油断した唇を見てるうち、キスしたいなあと思った。
そもそもあたし、キスって好きなんだよね。
お互いのいろいろが伝わるし、気持ちいい。
許されるなら、一緒にいる間じゅうしていたいほど、好きなんだよ、実は。
起こさないようにそっと、目にかかりそうな前髪をひと筋、払いのける。
したら、起きちゃうかな。
それはそれでいいか。
まわりもカップルだらけなので、周囲の目なんてあってないようなもんだし。
特に何も気にせず顔を寄せると、触れる直前にいきなり抱きしめられて、仰天した。
「わあっ!」
「なに、可愛いことしてるの」
おかしくておかしくて、たまらないって感じの声が聞こえる。
あたしはびっくりしすぎて、心臓が破裂しそうになっていた。
ぎゅうっと抱きしめられているせいで、堤さんの身体に乗っかる形で身動きがとれず、頬に芝生があたる。
「まさか、寝たふり?」
「違うよ」
言いながら、少し腕をゆるめて、あたしの髪に指を入れながら、目を合わせてきた。
「陽がかげった気がして、目が覚めた」
その声は、寝起きの少しぼんやりした感じが残っていて、あの甘さをどこか含んでる。
堤さんの身体は、日なたの光ですっかり温まって、くっついてるあたしまでほかほかしてきた。
両手で頭を引き寄せられるのを感じたので、素直にそれに従うと、間近で、くすっと笑う気配がして。
「まだだよ」
その唇が、頬に触れた。
そんなに競馬が好きなの?
そんなに、あたしに、会いたかったわけ?
薄く開いてる、油断した唇を見てるうち、キスしたいなあと思った。
そもそもあたし、キスって好きなんだよね。
お互いのいろいろが伝わるし、気持ちいい。
許されるなら、一緒にいる間じゅうしていたいほど、好きなんだよ、実は。
起こさないようにそっと、目にかかりそうな前髪をひと筋、払いのける。
したら、起きちゃうかな。
それはそれでいいか。
まわりもカップルだらけなので、周囲の目なんてあってないようなもんだし。
特に何も気にせず顔を寄せると、触れる直前にいきなり抱きしめられて、仰天した。
「わあっ!」
「なに、可愛いことしてるの」
おかしくておかしくて、たまらないって感じの声が聞こえる。
あたしはびっくりしすぎて、心臓が破裂しそうになっていた。
ぎゅうっと抱きしめられているせいで、堤さんの身体に乗っかる形で身動きがとれず、頬に芝生があたる。
「まさか、寝たふり?」
「違うよ」
言いながら、少し腕をゆるめて、あたしの髪に指を入れながら、目を合わせてきた。
「陽がかげった気がして、目が覚めた」
その声は、寝起きの少しぼんやりした感じが残っていて、あの甘さをどこか含んでる。
堤さんの身体は、日なたの光ですっかり温まって、くっついてるあたしまでほかほかしてきた。
両手で頭を引き寄せられるのを感じたので、素直にそれに従うと、間近で、くすっと笑う気配がして。
「まだだよ」
その唇が、頬に触れた。