オフィス・ラブ #Friends
堤さんが、お茶を飲みながら、にこりと笑った。
「広告主への提案は許可した。あとは、彼女次第だね」
「まあ、実現したとしても、あたしの担当誌じゃないだろうなあ」
「残念ながらね。年齢層が違いすぎる」
恵利と仕事できたら、面白いのにな。
そう思いながら、食べ終えたお箸を、先を折った箸袋に戻していると、ほぼ同時に食べ終えて、椅子の背にもたれて優雅に脚を組んでいる堤さんと目が合った。
口元は微笑んでるけど、その目は笑ってない。
「今日、何時になるかわからないけど」
この声。
どくん、と身体が脈打つ。
「いつもよりは、早く帰れるんだ」
まっすぐあたしを見て、そう言う。
なんで今ここで、その声使うの。
いつスイッチが入ったの。
「行っていい?」
脚が、無意識にシーツを蹴る。
声が我慢できない。
なにこれ、この間と全然違う。
満足げな声が、面白そうに、ちょっとバカにしてるみたいに、耳に吹きこまれる。
「どうしたの」
わざわざ訊くな。
ていうかその声、やめてよ、自分で気づいてないの?
心臓に悪いくらい艶っぽくて、水気があって、入ってきた耳から、しびれそうになる。
「広告主への提案は許可した。あとは、彼女次第だね」
「まあ、実現したとしても、あたしの担当誌じゃないだろうなあ」
「残念ながらね。年齢層が違いすぎる」
恵利と仕事できたら、面白いのにな。
そう思いながら、食べ終えたお箸を、先を折った箸袋に戻していると、ほぼ同時に食べ終えて、椅子の背にもたれて優雅に脚を組んでいる堤さんと目が合った。
口元は微笑んでるけど、その目は笑ってない。
「今日、何時になるかわからないけど」
この声。
どくん、と身体が脈打つ。
「いつもよりは、早く帰れるんだ」
まっすぐあたしを見て、そう言う。
なんで今ここで、その声使うの。
いつスイッチが入ったの。
「行っていい?」
脚が、無意識にシーツを蹴る。
声が我慢できない。
なにこれ、この間と全然違う。
満足げな声が、面白そうに、ちょっとバカにしてるみたいに、耳に吹きこまれる。
「どうしたの」
わざわざ訊くな。
ていうかその声、やめてよ、自分で気づいてないの?
心臓に悪いくらい艶っぽくて、水気があって、入ってきた耳から、しびれそうになる。