オフィス・ラブ #Friends
あせってるとか、やけっぱちとか。

そんなふうにだけは、思わないでね。

あたし、ほんとに好きなんだから。



そう言ったら、あっさり返事が来た。



「思ってないし、別にそれでもいい」



まだ引きずってるんでしょ、と心臓のあたりを、つつかれる。

すごいな、なんでわかるんだろう。



「ゆっくりでいいって、言っただろ」



一足飛びに話を進めるのは、そっちじゃん。

そのほうが、あたしが迷わずにすむから?

優しい、ひねくれ者め。

まあ単に、好きに動いてるだけかもしれないけど。



「恵利たちに、いつ言おう」

「俺、新庄にぶん殴られるんじゃないかな」



ああ、ありそう。

あたしの肩に顎を乗せて、うーんと考えていた彼が、まあでも、と面白がるような声を出した。



「ぎりぎりまで、黙っとかないって手は、ないよね」



思わず、のけぞる勢いで笑ってしまう。

あたしも、同じことを考えてたから。


ごめんね、お姉ちゃんたち。

大好きだから、ちょっといたずらしたくなるの、許してね。


でも言う時は、絶対、一番最初に言うからね。


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