幼馴染みと先生と。

教室は結構にぎやかで皆がこれからの高校生活に胸を弾ませ、先生はどんな人かとワクワクしているとガラガラと教室のドアが開いた。

｢せきつけー｣


｢ガタッ｣

｢？｣

入ってきた教師らしき男の姿を見て私は思わず立ち上がった。

生徒の視線が私に集まる。
私はそれに気づきハッと我に返り
すいませんと小声で言いながら席についた

絢斗と壮馬が心配そうにこちらを見ているので私は苦笑いをして誤魔化そうとした

だが、二人にそれは通じなかったようで、やはり心配そうな顔のまま前を向いた


｢はい、はじめまして
私はこの1年B組の担任の福田葵です。
これから1年間よろしく。｣

彼の身長は高く、細身だけどひょろいわけではなくスタイルが良い。

髪の毛は少し癖があるのかクリクリしていて黒縁のメガネをかけている。

スーツが似合う好青年という感じだ。


パチパチと拍手がおこり、女子生徒の中には｢めっちゃイケメンじゃん！｣｢超タイプ〜｣などという声が聞こえる。

私は衝撃のあまり口を開けたまま拍手もせずに先生をただただ凝視している。
先生がイケメンだったから驚いているわけではない。

そんな私に先生も気づいたのか、頭にハテナを浮かべながらニコッとしてこっちを見る

私はハッとなり口を閉めて全力で拍手をした

｢えーと、じゃあ今日のホームルームは一人ずつ自己紹介をしてもらおうかな。名前と出身中学と部活と皆に一言。順番は出席番号順で。｣

絢君かわいそう…
と心の中で思った。

絢斗はガタッと立ち上がり、何のためらいも照れもなく淡々と自己紹介を始める。


｢相沢絢斗です
中学は上山中学校でした
部活はバレーボールをやります
1年間宜しくお願いします｣

拍手が起こり