雪見月
いつもの道をいつものごとく歩いていた俺は、たまたまできていたのだろう段差に気付かずつまずき、


滑り、


転倒。


固い道路に頭から突っ込まなかっただけマシだが、とにかく痛い。


少し動かしただけで痙攣する足ってどうよ。


危ない気配しかしない。


さみー、とか言いながら、
風に吹かれた白い息を追って不用心に空を見上げた俺が悪かった。


慣れた場所では油断して事故に遭いやすい。


交通安全の初歩じゃんか。


不覚。

足元の確認を怠ったばかりに災難に遭ってしまった。


家に帰ろうにも、これではどうやって帰れば良いのか。


全くもって見当すらつかない。


が、こちとら高校生である。


こんなところで一晩を明かしたり、路頭に迷ったりする訳にはいかないので、必死に頭を絞り案を捻り出す。
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