雪見月
「あのときの方…ですよね。千五百円」
「っ、はい!」
果たして彼女は覚えていてくれた。
忘れてなどいなかった。
良かった、当たったと、そう呟いて。
「私、待ってますから」
ふわり、微笑む。
「はい!」
嬉しくて、ただ嬉しくて、頬がだらしなく緩むのなんて構っていられなくて。
やっと、やっと、遅咲きの桜が咲いた。
「っ、はい!」
果たして彼女は覚えていてくれた。
忘れてなどいなかった。
良かった、当たったと、そう呟いて。
「私、待ってますから」
ふわり、微笑む。
「はい!」
嬉しくて、ただ嬉しくて、頬がだらしなく緩むのなんて構っていられなくて。
やっと、やっと、遅咲きの桜が咲いた。