雪見月
気付いていたら使わないだろうし、

間違って使ってしまったと気付いたらきっと、憤死しそうな赤さで慌てだす。


俺にそんな失礼な想像を持たれているとは知らない彼女は、上機嫌だ。


「これ、男の子がつけられそうな色違いのものがあったと思うんです。一緒に買いに行きませんか」


お揃いとか、い、いいい嫌でなければ! 嫌でなければ! 見るだけでもいいんですけど、


……どうでしょう。


なんて言われてしまえば、絶対に断れるはずもない。

元より断るつもりもないが。
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