雪見月
微妙に気にしつつ、すぐさま近場のコンビニへ走った。
ああもう、信号早く変わって。
何で赤なの、こんなときに限って。
「急がなくちゃ……!」
彼を助けたい。
その一心で、荒い息で酸素があまり体に回らないながら、必死に足を進めた。
苦しい肺に無理矢理酸素を送ってなだめる。
避けさせる形になってしまいながらすれ違った、周りの通行人に頭を下げ。
申し訳なさを感じる彼らの奇異の視線は、不思議と気にならなかった。
確実に元気になって欲しい。
彼が良くなるならば出費も痛くない。
駆け込んだコンビニで店員さんに驚かれ、同様に頭を下げつつも歩調は緩めない。
小さめの赤い籠を右手で引っ掴み、医療品のコーナーに向かう。
「あ、…った」
もれた呟きごと呼吸に変えて、帰りに備えて小休止。
どんどん必要そうなものを取っていく。
途中でふと気付いて鞄から財布を探ると、友達とお揃いの財布に五千円は入っていた。
小さな買い物にしては潤沢な資金だ。まだかなり余裕がある。
じゃあこれも、と籠に入れる商品は増えた。
ああもう、信号早く変わって。
何で赤なの、こんなときに限って。
「急がなくちゃ……!」
彼を助けたい。
その一心で、荒い息で酸素があまり体に回らないながら、必死に足を進めた。
苦しい肺に無理矢理酸素を送ってなだめる。
避けさせる形になってしまいながらすれ違った、周りの通行人に頭を下げ。
申し訳なさを感じる彼らの奇異の視線は、不思議と気にならなかった。
確実に元気になって欲しい。
彼が良くなるならば出費も痛くない。
駆け込んだコンビニで店員さんに驚かれ、同様に頭を下げつつも歩調は緩めない。
小さめの赤い籠を右手で引っ掴み、医療品のコーナーに向かう。
「あ、…った」
もれた呟きごと呼吸に変えて、帰りに備えて小休止。
どんどん必要そうなものを取っていく。
途中でふと気付いて鞄から財布を探ると、友達とお揃いの財布に五千円は入っていた。
小さな買い物にしては潤沢な資金だ。まだかなり余裕がある。
じゃあこれも、と籠に入れる商品は増えた。