嘘と真実と君で僕になる
八坂と月城の関係
家の事情
ざわつく教室。嫌いな時間。
「おい京、帰るぞ。」
…また名前で呼んでるし。
「うん、ちょっと待って。まだ帰る用意できてない。」
私たちの関係は知られているようで、あまり知られていないらしい。
「ねぇ、また月城くんが八坂さんと帰ってるよ…?」
「付き合ってるのかな?」
…うるさいな。
でも、きっと彼にはこの気持ちがバレている。
『彼だけ』に私の嘘は通用しない。
「みなさん、ごきげんよう。」
精一杯の作り笑顔であいさつ。
こんなこと、慣れたものだ。
「ご、ごきげんよう…!」
「さようなら!」