嘘と真実と君で僕になる

「やっぱりアイツはただの売女だった!」

「吉原の女の言うことなんか誰が信じるか!」

「八坂の恥だ!」

屋敷で飛び交う数々の罵詈雑言。

父は母を蔑むようになった。




「京、あなたは何も悪くないの。」


その度に母は幼い少女にそう言い聞かせた。


「その瞳はあなたの魅力。個性なのよ。」

「八坂にふさわしい淑女になりなさい。」
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