となりの専務さん
そう言ってくれたことには、なんだか少しホッとした。
仲がいい、って言ってくれたことに対してもそうだし、もし専務と葉津季さんが私の想像以上に特別な仲で、専務が私とのことをごまかすために『こんな子知らないよ』とか答えたら悲しいから。
……ていうか、専務と葉津季さん、本当に付き合ってないよね? 専務には婚約者さんがいるわけだし、もし葉津季さんのことが好きだったら、たとえウソでも私にも『結婚しよう』なんて言わないよね?
私が悶々としていることに気づく様子はなく、専務は葉津季さんと話を続ける。
……その話の中で、専務が私のことを
「うちの会社の社員の子でもあるよ」
とまで話し始めたことに、私は驚いた。
だって専務は普段、自分が株式会社コスメチアの専務だってことは内緒にしてるし、コスメチアの社員だってことも周りの人には言っていないから。
ってことは、この女性は専務が“専務”であることを知っていて、それでいて専務にとってなんでも話せる仲っていうこと?
すると専務は、私に振り返って。
「ごめん、石川さん。先、帰っててくれる?」
「え?」
「俺、この子とちょっと話していくから」
専務はそう言って葉津希さんを見た。
専務は私に優しくほほえみながらそう言ってくれた。
でも……急にすごく不安になってしまった。私と専務は付き合っているわけじゃないのだから、こんな不安で寂しい気持ちを抱く権利ないはずなのに……。
仲がいい、って言ってくれたことに対してもそうだし、もし専務と葉津季さんが私の想像以上に特別な仲で、専務が私とのことをごまかすために『こんな子知らないよ』とか答えたら悲しいから。
……ていうか、専務と葉津季さん、本当に付き合ってないよね? 専務には婚約者さんがいるわけだし、もし葉津季さんのことが好きだったら、たとえウソでも私にも『結婚しよう』なんて言わないよね?
私が悶々としていることに気づく様子はなく、専務は葉津季さんと話を続ける。
……その話の中で、専務が私のことを
「うちの会社の社員の子でもあるよ」
とまで話し始めたことに、私は驚いた。
だって専務は普段、自分が株式会社コスメチアの専務だってことは内緒にしてるし、コスメチアの社員だってことも周りの人には言っていないから。
ってことは、この女性は専務が“専務”であることを知っていて、それでいて専務にとってなんでも話せる仲っていうこと?
すると専務は、私に振り返って。
「ごめん、石川さん。先、帰っててくれる?」
「え?」
「俺、この子とちょっと話していくから」
専務はそう言って葉津希さんを見た。
専務は私に優しくほほえみながらそう言ってくれた。
でも……急にすごく不安になってしまった。私と専務は付き合っているわけじゃないのだから、こんな不安で寂しい気持ちを抱く権利ないはずなのに……。