となりの専務さん
「今日はお時間ありますか?」
朝食の用意をしながら、うしろでお布団の片付けをしている専務にそう尋ねると。
「あ、いや、午前中は会社に行かないとだな。なにかあった?」
と、申しわけなさそうに専務は答えた。
お付き合いを始めてから、以前よりはずいぶん専務の表情はわかりやすくなった気がする。基本はいつも無表情であるけれど。
「あ、いえ。おヒマならいっしょに出かけられたらなって思っただけです。お仕事なら仕方ないです!」
「ごめんね」
「謝ることじゃないです!」
お付き合いを始めてからも、専務はお仕事が忙しくて、休日も会社に向かうことが多く、決して頻繁にデートをしているわけではない。
でも! それに不満があるわけじゃなくて! むしろ、お仕事してる専務が好きだし……!
すると専務は。
「…でも、夜までには帰るから、夕飯作っといてくれたらうれしいな」
「! もちろんですそれは!」
やったぁ。お夕飯を専務といっしょに食べられる!
そして、用意した朝食をいっしょに食べ、その後、専務はスーツに着替えて出かける準備を始め、私は食器の後片付けなどを行う。
「じゃあ、そろそろ行ってくるね」
玄関先にて、専務が私に言う。
「はい! 気をつけて行ってきてください!」
「うん」
そう言うと専務の右手が私の前髪をそつとどかす。
そして。
ーーちゅっ。
……行ってきます、のキス。
今日みたいに、専務か私の部屋にいっしょにいて、専務が先に家を出る時、必ずしてくれる。
朝食の用意をしながら、うしろでお布団の片付けをしている専務にそう尋ねると。
「あ、いや、午前中は会社に行かないとだな。なにかあった?」
と、申しわけなさそうに専務は答えた。
お付き合いを始めてから、以前よりはずいぶん専務の表情はわかりやすくなった気がする。基本はいつも無表情であるけれど。
「あ、いえ。おヒマならいっしょに出かけられたらなって思っただけです。お仕事なら仕方ないです!」
「ごめんね」
「謝ることじゃないです!」
お付き合いを始めてからも、専務はお仕事が忙しくて、休日も会社に向かうことが多く、決して頻繁にデートをしているわけではない。
でも! それに不満があるわけじゃなくて! むしろ、お仕事してる専務が好きだし……!
すると専務は。
「…でも、夜までには帰るから、夕飯作っといてくれたらうれしいな」
「! もちろんですそれは!」
やったぁ。お夕飯を専務といっしょに食べられる!
そして、用意した朝食をいっしょに食べ、その後、専務はスーツに着替えて出かける準備を始め、私は食器の後片付けなどを行う。
「じゃあ、そろそろ行ってくるね」
玄関先にて、専務が私に言う。
「はい! 気をつけて行ってきてください!」
「うん」
そう言うと専務の右手が私の前髪をそつとどかす。
そして。
ーーちゅっ。
……行ってきます、のキス。
今日みたいに、専務か私の部屋にいっしょにいて、専務が先に家を出る時、必ずしてくれる。