となりの専務さん
「続きまして、専務からのお話があります」
配属先の発表がすべて終わったあとの人事部長のその言葉に、私は、いや同期のほとんどはゴク、と唾を飲み込んで、変な緊張感が走ったと思う。
専務。専務のせいで仕事を辞める女子が多いというウワサのある、専務。
そのウワサは、私だけじゃなくてほかの同期の子たちも何人か知ってたため、同期全員の間ですぐに話題になった。
いったい、どんな人なんだろう……。
「それでは専務、どうぞ」
人事部長がマイクを通してそう言うと、後方の戸がガチャ、と開いた。
……音とともに振り向いて、私は目を大きく見開いた。
心臓が、止まるかと思った。
入ってきたのはーー
……響さんだった。
配属先の発表がすべて終わったあとの人事部長のその言葉に、私は、いや同期のほとんどはゴク、と唾を飲み込んで、変な緊張感が走ったと思う。
専務。専務のせいで仕事を辞める女子が多いというウワサのある、専務。
そのウワサは、私だけじゃなくてほかの同期の子たちも何人か知ってたため、同期全員の間ですぐに話題になった。
いったい、どんな人なんだろう……。
「それでは専務、どうぞ」
人事部長がマイクを通してそう言うと、後方の戸がガチャ、と開いた。
……音とともに振り向いて、私は目を大きく見開いた。
心臓が、止まるかと思った。
入ってきたのはーー
……響さんだった。