となりの専務さん
私が専務を紹介すると、みんなが専務をよりまじまじと見つめた。
「いやぁ、見れば見るほどイケメンだわー」
とお姉ちゃん。
「ヒロちゃんもお年頃だものねぇ」
とおばあちゃん。
「早くひ孫の顔が見たいなぁ」
なんて言うのはおじいちゃんで。
「ちょ、ちょっとおじいちゃん。べつに結婚のあいさつに来たわけじゃないんだから……。あとお姉ちゃん、私、顔で響さんのこと選んだわけじゃないからね」
私がそう言うと、お姉ちゃんは。
「はいはい。だって大樹もかっこよかったじゃん」
「だっ、大樹くんの話はいいから!」
「今、大樹と同じ部署でとなりのデスクで働いてるんでしょ? 大樹と復縁パターンもありそうだなと思ったんだけど」
「ちょ、ちょっと!」
チラ、と専務の横顔を見ると、変わらずほほえんでいたけど……でもさっきと同じ、怖い笑顔で……!
元カレの大樹くんが今同じ部署で働いてること言えてなかったしな……。やましいことなんてなにもないけど、わざわざ言うことでもない気もして……。
で、ででででもやっぱ先に言っとくべきだったかー! 笑顔がひたすら怖いー!
すると、さっきまで黙っていた、パジャマ姿のお父さんがようやく口を開く。
「響さん……でしたかね。あのですね、まあ……その、まずはすみませんね、誤解やらなんやらで、長野まで来てもらっちゃって」
彼氏、という存在の登場に、明らかにやや不機嫌なお父さんだけど、ここまで来てもらった申しわけなさとかもあるらしく、まだ強気には出なかった(大樹くんが家に来た時は、娘を危ない場所に連れ出すなとかヘラヘラするなとか散々言っていた。大樹くんはあの性格だから気にしてなかったけど……)。
「いやぁ、見れば見るほどイケメンだわー」
とお姉ちゃん。
「ヒロちゃんもお年頃だものねぇ」
とおばあちゃん。
「早くひ孫の顔が見たいなぁ」
なんて言うのはおじいちゃんで。
「ちょ、ちょっとおじいちゃん。べつに結婚のあいさつに来たわけじゃないんだから……。あとお姉ちゃん、私、顔で響さんのこと選んだわけじゃないからね」
私がそう言うと、お姉ちゃんは。
「はいはい。だって大樹もかっこよかったじゃん」
「だっ、大樹くんの話はいいから!」
「今、大樹と同じ部署でとなりのデスクで働いてるんでしょ? 大樹と復縁パターンもありそうだなと思ったんだけど」
「ちょ、ちょっと!」
チラ、と専務の横顔を見ると、変わらずほほえんでいたけど……でもさっきと同じ、怖い笑顔で……!
元カレの大樹くんが今同じ部署で働いてること言えてなかったしな……。やましいことなんてなにもないけど、わざわざ言うことでもない気もして……。
で、ででででもやっぱ先に言っとくべきだったかー! 笑顔がひたすら怖いー!
すると、さっきまで黙っていた、パジャマ姿のお父さんがようやく口を開く。
「響さん……でしたかね。あのですね、まあ……その、まずはすみませんね、誤解やらなんやらで、長野まで来てもらっちゃって」
彼氏、という存在の登場に、明らかにやや不機嫌なお父さんだけど、ここまで来てもらった申しわけなさとかもあるらしく、まだ強気には出なかった(大樹くんが家に来た時は、娘を危ない場所に連れ出すなとかヘラヘラするなとか散々言っていた。大樹くんはあの性格だから気にしてなかったけど……)。