となりの専務さん
でも、専務のことを強く思えば思うほど、好きだという気持ちが膨らむ一方で、モヤモヤしたものもいっしょに膨らんでいく……そんな気も、実はずっとしていた。

専務が、私の家族といっしょに過ごしてくれている時間がうれしかった。
家族が専務を受け入れてくれて、すごくうれしかった。

大好きな場所で、キレイな景色を、専務といっしょに専務のとなりで見られたことも、うれしかった。

たった一日だったけど、専務のこ好きだって気持ちがずっとずっと大きくなった。
ずっといっしょにいたい。

……そんな気持ちが、自分でもセーブできないくらいに強くなったから、その気持ちを大事にもしたくて、私は現実に直面せずに、ずっと逃げてた。


……でも、もう認めなくちゃ。




『涼ちゃん、役職を外されるかもしれない』




私といっしょにいたら



「……専務」


専務は



「なに?」



専務は




「私たち……」





幸せにはなれないね。




「別れましょう」
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