となりの専務さん
先輩の事情
翌日から、本格的に仕事が始まっていった。
仕事は基本、指導係の月野さんに教えてもらっている。
専務とは、社内で会うことはほとんどなく、たまに会ってもすれ違うくらいだった。
周りの人は、私たちが同じアパートに住んでいることを知らず、また知られたくなかったので、専務とすれ違っても会釈するだけだった。
専務も、私に話しかけてくることはなかった。
また、私はまだ新入社員なのもあって毎日定時には退社していたけど、専務はあれ以降は毎晩帰りが遅く、アパートでも会話はしていなかった。
仕事は、相変わらず雑用が多めだったけど、新商品の提案書の確認や、ラフ案のチェックなど、少しずつ商品企画部らしい仕事も教えてもらっていた。
そんな中、大樹くんはというと。
「月野さん、さっき言われたこの書類できあがりました」
「え、もう? 大樹くん早いね」
「あと、あくまで仮なんですけど企画書の作成の仕方ってこういう感じでいいですか?」
「えっ、自分で考えたの? すごいじゃん!」
……先輩方も驚くほど、大樹くんは仕事ができる人だった。
真面目感はあまりしないのだけど、飲み込みや吸収が早いのだろうか、意外にも毎日テキパキと仕事をこなし、またコミュニケーション能力が高いのもあり、先輩にも上司にもすぐに気に入られていた。
私も、がんばらなきゃ。
仕事は基本、指導係の月野さんに教えてもらっている。
専務とは、社内で会うことはほとんどなく、たまに会ってもすれ違うくらいだった。
周りの人は、私たちが同じアパートに住んでいることを知らず、また知られたくなかったので、専務とすれ違っても会釈するだけだった。
専務も、私に話しかけてくることはなかった。
また、私はまだ新入社員なのもあって毎日定時には退社していたけど、専務はあれ以降は毎晩帰りが遅く、アパートでも会話はしていなかった。
仕事は、相変わらず雑用が多めだったけど、新商品の提案書の確認や、ラフ案のチェックなど、少しずつ商品企画部らしい仕事も教えてもらっていた。
そんな中、大樹くんはというと。
「月野さん、さっき言われたこの書類できあがりました」
「え、もう? 大樹くん早いね」
「あと、あくまで仮なんですけど企画書の作成の仕方ってこういう感じでいいですか?」
「えっ、自分で考えたの? すごいじゃん!」
……先輩方も驚くほど、大樹くんは仕事ができる人だった。
真面目感はあまりしないのだけど、飲み込みや吸収が早いのだろうか、意外にも毎日テキパキと仕事をこなし、またコミュニケーション能力が高いのもあり、先輩にも上司にもすぐに気に入られていた。
私も、がんばらなきゃ。