となりの専務さん
デートの事情
だけど、それから私は月野さんと鹿野さんのちょっとしたターゲットみたいになってしまったようで……。
いじめとまではいかないけど、接し方が明らかにキツくなって、今までみたいに親しく話してくれることはなくなった。
呼び方も、やっぱり『広香ちゃん』ではなく、『石川さん』に変わった。
ムシされる、とまではいかないし、仕事は教えてくれるからそこまで思いつめるほどではないかもしれない。
それでも、それまで普通に接してくれていた人たちが急に冷たい態度に変わるのは、やっぱり悲しかったし、寂しかった。
大樹くんは、なにも変わらず私と仲よくしてくれてる。
大樹くんは天然だから、私が月野さんと鹿野さんに冷たい態度をとられていることに気づいていないのかもしれないけど。
……いや、でも今までに増して、仕事中に大樹くんから話しかけられる回数が増えた気がする。やっぱり、気にしてくれてるのかも……。
今までの学生時代、周りの友だちとは当たり前のように仲よくしてきた。誰かにこんなにわかりやすく嫌われてしまったのは初めてで、しかもそれが毎日続いているので、そもそもの原因が自分にあるとはいえ、気持ち的にだいぶ疲れてしまっていた。
ようやく土曜日になっても、月曜日のことを考えると、気が重かった。いつまでこういう感じが続くのかな。もう一回謝るのはおかしいかな。嫌だな。もっと楽しく仕事したいな。それは甘い考えかな……と、いろいろ考えてしまっていた。
そして今日は日曜日。日曜日になると、昨日よりもさらに気持ちが重く感じた。ひとりで部屋で考え込んでいないで、なにか気晴らしでもするべきかな。でも、なにをしたらってまた考えてしまう。
そんなことを考えていたら、突然。
「デートしない?」
……専務の声が、突然カーテンの向こうから聞こえた。
……え、なに今の? ひとりごと、じゃないか。あ、誰かと電話してるのかな?
……すると。
いじめとまではいかないけど、接し方が明らかにキツくなって、今までみたいに親しく話してくれることはなくなった。
呼び方も、やっぱり『広香ちゃん』ではなく、『石川さん』に変わった。
ムシされる、とまではいかないし、仕事は教えてくれるからそこまで思いつめるほどではないかもしれない。
それでも、それまで普通に接してくれていた人たちが急に冷たい態度に変わるのは、やっぱり悲しかったし、寂しかった。
大樹くんは、なにも変わらず私と仲よくしてくれてる。
大樹くんは天然だから、私が月野さんと鹿野さんに冷たい態度をとられていることに気づいていないのかもしれないけど。
……いや、でも今までに増して、仕事中に大樹くんから話しかけられる回数が増えた気がする。やっぱり、気にしてくれてるのかも……。
今までの学生時代、周りの友だちとは当たり前のように仲よくしてきた。誰かにこんなにわかりやすく嫌われてしまったのは初めてで、しかもそれが毎日続いているので、そもそもの原因が自分にあるとはいえ、気持ち的にだいぶ疲れてしまっていた。
ようやく土曜日になっても、月曜日のことを考えると、気が重かった。いつまでこういう感じが続くのかな。もう一回謝るのはおかしいかな。嫌だな。もっと楽しく仕事したいな。それは甘い考えかな……と、いろいろ考えてしまっていた。
そして今日は日曜日。日曜日になると、昨日よりもさらに気持ちが重く感じた。ひとりで部屋で考え込んでいないで、なにか気晴らしでもするべきかな。でも、なにをしたらってまた考えてしまう。
そんなことを考えていたら、突然。
「デートしない?」
……専務の声が、突然カーテンの向こうから聞こえた。
……え、なに今の? ひとりごと、じゃないか。あ、誰かと電話してるのかな?
……すると。