となりの専務さん
「お疲れさま」
会社の中だし……昨日のこととか、アパートのこととか、そういうプライベートな話はしない方がいいよね?
で、でもなにも言わないのも感じ悪い気がするし……。
こういう時、社員と専務は普通はどういう会話をするのか……あああもうすぐエレベータが着いてしまう……。
……なんて思って悶々としていると。
クスっ。
と、専務が小さく笑うのが聞こえた。
「え、あの……?」
私が振り向いてそう尋ねると。
「勇気、出たんだね」
専務は優しくそう言ってくれた。
「……はい!」
ありがとうございます、の意味を込めて私は笑顔でそう答えた。
チン、という音とともに、エレベーターが止まる。
降りなきゃ。そう思った瞬間。
――ちゅ。
「!?」
……突然だった。
専務が、私のおでこにキスをした。
すると専務はまたクスっと笑って。
「やっぱ君の反応、楽しいね。結婚したら、毎日その反応が見られるのかな?
とりあえず、今のキスは壁の修理費の前払いってことで」
……と、それだけ言って、専務は先にエレベーターを降りていった……。
私は右手をおでこにあてたまま、固まる。
昨日もキスされて、きょ、今日もキス、されて……。
も、もうからかわないでよ!
ていうか、だから結婚なんてしません!!
……エレベーターの扉が閉まる。
私も降りなきゃいけなかったのに、まだその場から動けない。
しーんとして動かないエレベーターの中で、私はバクバクと激しく動く心臓を必死に抑えようとしていた。
会社の中だし……昨日のこととか、アパートのこととか、そういうプライベートな話はしない方がいいよね?
で、でもなにも言わないのも感じ悪い気がするし……。
こういう時、社員と専務は普通はどういう会話をするのか……あああもうすぐエレベータが着いてしまう……。
……なんて思って悶々としていると。
クスっ。
と、専務が小さく笑うのが聞こえた。
「え、あの……?」
私が振り向いてそう尋ねると。
「勇気、出たんだね」
専務は優しくそう言ってくれた。
「……はい!」
ありがとうございます、の意味を込めて私は笑顔でそう答えた。
チン、という音とともに、エレベーターが止まる。
降りなきゃ。そう思った瞬間。
――ちゅ。
「!?」
……突然だった。
専務が、私のおでこにキスをした。
すると専務はまたクスっと笑って。
「やっぱ君の反応、楽しいね。結婚したら、毎日その反応が見られるのかな?
とりあえず、今のキスは壁の修理費の前払いってことで」
……と、それだけ言って、専務は先にエレベーターを降りていった……。
私は右手をおでこにあてたまま、固まる。
昨日もキスされて、きょ、今日もキス、されて……。
も、もうからかわないでよ!
ていうか、だから結婚なんてしません!!
……エレベーターの扉が閉まる。
私も降りなきゃいけなかったのに、まだその場から動けない。
しーんとして動かないエレベーターの中で、私はバクバクと激しく動く心臓を必死に抑えようとしていた。