ワケあり荘のイケメンズ!
……は?
唐突に言われた言葉に、頭がついていかない。
転入……? 学園長……?
……ワケあり荘って、何?
キョトンとしているのは、あたしだけではなくお父さんの足にしがみついてる真守もだった。
「このワケあり荘っていうのが、真守がこれから通う幼稚園からも近くてね。
便利でいいかなーって思ったんだけど、どうかな?
ここよりはだいぶ住みやすいと思うよ。メグがいいなら……だけど」
「…………」
そんなの、断れるワケないでしょ。
転入手続きまで用意してるなんて、転入しろって言ってるようなものじゃない。
文句を言いたくなったが、グッと心の奥に押し殺してとどめた。
突然すぎる。
久々に急に帰ってきたかと思うと、転入しろだって……?
しかもそれって、この家を捨てるってことでしょ?
……お父さんの帰る家、なくなるじゃん。
あたしと真守だけ置いて、どこに行くの?
ああそうか。
お父さんはもう、あたしのもとへ帰ってくるのもイヤになったのか。