ワケあり荘のイケメンズ!
「いいよ」
ニコッと笑って、父親からその書類を受け取った。
だってこれしか、父親に迷惑をかけない方法がないから。
ならばあたしは、その手段を選ばざるをえない。
困惑しつつも、あたしは流れに身を任せるように、新たな学園生活へと移り変わっていった。
これが、ワケあり荘で生活するキッカケとなったすべての始まり。
本来なら寮に行くべきだが、特例ということで弟と一緒に生活できるよう、ワケあり荘から学園に通うことになった。
奨学金というサポートに、成績を維持できれば授業料も全額免除。
父親が知人というだけで、学園長はあたしにたくさんの支援をしてくれた。
対して関わりもないのに、とても、とてもあたし達に親切にしてくれた。
学園長は、あたし達貧乏家族を救ってくれたのだ――……。