ワケあり荘のイケメンズ!
「な……また撮った!」
「その顔」
「えっ?」
「なんか気になる。だから、撮った」
……意味わからん。
それがあたしの心の声だった。
「そんな嘘くさい理由で盗撮が許されるとでも思ってるんですか?」
「盗撮じゃない」
「だから……!都合悪くなったら目をそらすのやめてください!
もういい、そのカメラ貸して!」
あたしは強引に、彼の手から高そうなカメラを奪い取った
「あ」
どうしてもイヤなんだ。
誰かのシャッターに、あたしが映るのは。
誰かの心の中に、あたしが残るのは。
こんな汚れた心の持ち主であるあたしを、その無垢なレンズに映さないで。
全て見透かされそうで、怖くなる。