ワケあり荘のイケメンズ!





――ガッシャーン!!



「…………」


「…………」



本当に壊れた音がしたのは、目の前で落下したカメラだった。



男とカメラを奪い合いをしていると、どちらともなく手を滑らせてカメラを落としてしまったのだ。


高そうな、一眼レフのカメラを……。


今までおとなしくちょこんと座っていたワンちゃんは、カメラの落ちた音にビックリしたのか、クンクンとそこを嗅いで安全か確かめている。



「ご、ごめん」


「…………」



謝ると、男はただジーッと壊れたカメラを見つめていた。



……まずいな。お金ないのに、弁償しろとか言われるかも……。




次に何を言われるか、ビクビクしていると。



――グゥ〜〜。




えっ?



どこからかお腹の鳴る音が聞こえてきて、次の瞬間、目の前の男が、ポスンとあたしの肩に顔をうずめてきた。



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