ワケあり荘のイケメンズ!




「お、笑った」



「よかった。泣き止んで」



羽渕依さんも、眼鏡をかけたこの男性も、柔らかな笑みを浮かべてあたしを見つめる。


そんな優しい瞳に、なぜか胸がくすぐったい気持ちになった。



いつぶりだろう。こんなに笑うことができたのは。




「帰って来いよ、メグ」



すると、真守の隣にいてくれた都築湊斗があたしに向かってそう声をかける。



見れば、真守は不安そうな瞳であたしを見つめていた。



「お前の居場所はここだろ」



「…………」



都築湊斗は、かも当然のごとくそう言い放つ。


不安で、どうしていいか戸惑っているあたしの気持ちを、明るい光で照らしてくれるみたいに。


迷子になったあたしの道を、ひとつにしてくれた。




そっか。あたしの帰る場所は……。




「お姉ちゃん、帰ろ?」



「……うんっ」




あの、ちょっと不思議なワケあり荘なんだ。




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