ワケあり荘のイケメンズ!
……とりあえず、部屋に戻ろう。
先に着替えを済ませよう……!!
テンパっている頭に言い聞かす。
だけどそのとき、とある部屋から一人の男が出てきた。
もうすでに着替えを済ませていて、しっかりと身支度を終えている。
でも彼は、制服姿ではなかった。
オシャレな私服姿の……玲央だ。
ヤツはあたしの存在を認識すると、自分の視界から意地でも排除したらしい。
かも空気のような扱いで、あたしの横を通り過ぎた。
……ま、こんなもんに負けたりしないけどね。
「おはよう」
振り返って、声をかける。
一瞬だけ立ち止まってくれたけど、すぐに歩き出して玄関の方へ行ってしまった。
あたしも負けじとついていく。