ワケあり荘のイケメンズ!
「ねぇ、こんな早くにどこに行くの?」
「…………」
靴を履き替えてる玲央に、再び声をかける。
「制服じゃないじゃん。どうして? 学校は?」
「…………」
それでも無言を貫き通すか。
あたしは相当、こやつに嫌われてるらしい。
「ねぇ!玲央」
「……あ?」
ようやく彼は振り返った。
玄関の取っ手口をとって、やっと。ものすっっっごい険悪な表情で。
「ちゃんと聞こえてるじゃない。無視しないでよ」
「うるせぇな。人のこと勝手に名前で呼ぶんじゃねぇよ」
「だってあたし、あなたの名字知らないもん」
「…………」
あたしをキツく睨みながらも、黙りこむ玲央。
嫌われてても、ここで一緒に住む以上、関わらないっていうのは無理だから、せめて話せる仲にはなりたいのに。