ワケあり荘のイケメンズ!
ちょっとだけ興味を持ったあたしは、あたかも真面目に教科書を読んでるフリをして、耳だけはその女子生徒たちの会話に集中させていた。
「マジでレオ様、尊い!」
「やっぱ今の推しは、オレ様レオ様だよね〜」
レ、オ……?
その、どこか聞いたことのある名前に体がピクリと反応する。
あたしの中で、雑誌に掲載されてる人物を見てみたいという欲が出現した。
だって、今朝やたらオシャレな私服姿で出て行った人物をあたしは知っている。
制服も着ずに、どこへ何しに行ったのか気になって仕方なかった。
もしかして、という思考が頭の隅をかすめる。
確かめるためだけにあたしは席を立ち、のそりのそりと歩いてその女子生徒たちに近づいた。
そして、くっつけあってる机の真ん中に置かれてる雑誌を横目でチラリと盗み見る。