ワケあり荘のイケメンズ!
……実は昨日も真守はそう言い張っていたけど、あたしのプライドが許さなかった。
「真守、ダメだよ。玲央は仕事して疲れてるから、お姉ちゃんと入ろ?」
なぜあたしが、玲央に負けなければいけないの!?
真守はずっと一緒にいた姉より、迷子の自分を助けてくれた男がいいってこと!?
「やだ。もう僕5歳だもん。お姉ちゃんとじゃなくて、玲央と入る!」
プクーッと頬を膨らませて、玲央の足にしがみついてる真守。
……か、可愛い……!!
って、そうじゃなくて!
「で、でもほら、玲央だってゆっくりひとりで入りたいだろうし……」
「別にいい」
「え?」
あたしの言葉は遮られ、思わず真守から顔をあげて玲央を見た。
すると、口元を無防備なくらい緩ませて、真守の頭をポンポンと撫でながら、玲央は笑っていた。
「一緒に入るか、風呂」
「うん!!」
そのままふたりは、仲良く手をつないで食卓の部屋を出て行ってしまった。