ワケあり荘のイケメンズ!
な、なにこの敗北感……。
「真守くんの気持ちもわかるなぁ。あの年齢くらいになると、僕でも家族と一緒に入るのが恥ずかしいと思ったことあったから」
呆然としているあたしに、依先輩が優しくフォローをいれてくれた。
「寂しいなら一緒に入ってやろうか?」
とんでもないことをつぶやいた湊斗の足を、食卓の下で軽く踏んづけてやった。
ダメダメ。取り乱しちゃ。
少しだけ真守を玲央に取られた気分になったけど、まあいいか。
玲央の意外な一面を知ることができたし、きっと、なんだかんだで真守のことを気に入ってくれてるんだろう。
あの優しい笑顔がなによりもの証拠だ。
真守自身も玲央に1番心を開いてるみたいだし。
不審者だと思ってたやつは、案外いいやつなのかもしれないらしい。
姉としてはさみしい気持ちになりながらも、これも男の子の成長かな、と感じながら、その日はひとりでお風呂に入った。