ワケあり荘のイケメンズ!



な、なにこの敗北感……。




「真守くんの気持ちもわかるなぁ。あの年齢くらいになると、僕でも家族と一緒に入るのが恥ずかしいと思ったことあったから」



呆然としているあたしに、依先輩が優しくフォローをいれてくれた。



「寂しいなら一緒に入ってやろうか?」



とんでもないことをつぶやいた湊斗の足を、食卓の下で軽く踏んづけてやった。



ダメダメ。取り乱しちゃ。



少しだけ真守を玲央に取られた気分になったけど、まあいいか。



玲央の意外な一面を知ることができたし、きっと、なんだかんだで真守のことを気に入ってくれてるんだろう。


あの優しい笑顔がなによりもの証拠だ。



真守自身も玲央に1番心を開いてるみたいだし。



不審者だと思ってたやつは、案外いいやつなのかもしれないらしい。



姉としてはさみしい気持ちになりながらも、これも男の子の成長かな、と感じながら、その日はひとりでお風呂に入った。



< 84 / 100 >

この作品をシェア

pagetop