ワケあり荘のイケメンズ!




「…………」



あたしは洗濯物のカゴを手に、庭でかたまってしまっていた。



目の前で起きてる状況に、脳がついていかない。



初めて目にする〝それ〟に、どう対応していいのか混乱していたのであった。



その事件とやらを説明しよう。



陽だまりの下で波風を立てて乾かされている洗濯物達。



その中で、下着を干しているところに、見知らぬ男がいたのだ。



そいつはなぜか、ちょっと興奮気味に誰かのパンツを触っている……かと思うと、それを自分のズボンのポケットの中につっこんだ。



……もしかして、あれってあたしのパンツ?



嘘だろ。



衝撃を受けすぎて、開いた口が塞がらない状態のあたしに気づいた男の人は、こちらを振り向くと一瞬ビクッとしたけど、徐々にあたしに興味を持つように近づいてきた。



待て待て待て。


歩き方がキモいキモいキモい。



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