ワケあり荘のイケメンズ!
「お、女……?」
待って。
あたし、なんかこんな格好の人、最近見たことあるんだけど……。
黒い大きなサングラスにニット帽……おまけにマスクでその素顔が隠されている。
「れ、玲央……!?」
「……えっ?」
「え、嘘? 玲央? 仕事もう終わったの?
なんか数時間見ない間に声が野太くなったし、体型も随分肥えたね……?」
「なワケねーだろ」
突然、背後からズシリと頭にチョップをくらう。
鋭いツッコミをしてきたのは、いつの間にか外に出てきた湊斗だった。
「み、湊斗……!」
湊斗はさりげなくあたしの腕を掴み、自分の後ろへとあたしを隠した。
「お前誰? そこで何してんの?」
「…………っ!」
湊斗に睨まれた相手は、おびえた様子でその場から逃げ出した。