エリート上司と秘密の恋人契約
でも、恥ずかしくて頬を熱くしている私を見る目は優しい。
正直言うと、和真に笑顔を向けたことは覚えていない。そこに和真がいたことも覚えていない。いたたまれない気分になり、私もクッキーをかじった。
ビターなチョコチップが練り込まれているクッキーは甘さの中に苦さがあって、今の私の複雑な気持ちを表しているかのよう。
「でもさ、一目惚れしてもそのあとは何もないんだろ? それなのにずっと好きでいたのか? 諸橋、わりと一途なんだな」
皿の上のクッキーは半分ほどなくなっていた。ほとんどが黒坂さんの胃袋の中におさまっている。
気持ち良く食べてくれるのは、嬉しかった。
「それだけじゃないんですよ。もうここでは話さないですけどね」
私も黒坂さんに全部知られるのは恥ずかしかったから、今ここで言わないでいてくれて、安心した。
ここからの帰り道の時にでも教えてもらおう。二人だけの時がいい。
正直言うと、和真に笑顔を向けたことは覚えていない。そこに和真がいたことも覚えていない。いたたまれない気分になり、私もクッキーをかじった。
ビターなチョコチップが練り込まれているクッキーは甘さの中に苦さがあって、今の私の複雑な気持ちを表しているかのよう。
「でもさ、一目惚れしてもそのあとは何もないんだろ? それなのにずっと好きでいたのか? 諸橋、わりと一途なんだな」
皿の上のクッキーは半分ほどなくなっていた。ほとんどが黒坂さんの胃袋の中におさまっている。
気持ち良く食べてくれるのは、嬉しかった。
「それだけじゃないんですよ。もうここでは話さないですけどね」
私も黒坂さんに全部知られるのは恥ずかしかったから、今ここで言わないでいてくれて、安心した。
ここからの帰り道の時にでも教えてもらおう。二人だけの時がいい。