エリート上司と秘密の恋人契約
和真をもっと感じていたくて、背中に手を回して私からも密着させる。角度を変えて、何度も繰り返されるキス。ひんやりしていた空気が気持ち良く感じるくらい私たちの温度は上昇していた。

頭の隅でもうすぐ行われる会議のことを考えたけど、離れたくなかった。

キスを繰り返しながら和真の手は私の胸を捉える。ビクッと体は揺れるが動かす手を止められない。


「ヤバイな。止めてもらわないと最後までしちゃいそうだ」


耳元で妖しく囁かれる。


「いいよ。最後までして」と言いたいけど、そうもいかない。


「ダメ……」と気持ちと逆の言葉を吐く。


最後に軽いキスを落として今度こそ和真は上がっていった。


「はあー」


気持ちを落ち着かせるために何度か深呼吸をして、私も戻る。

こんなところでキスをしてどうするのよ。しかもあんな濃厚なキス。

その後の会議中に何度も思い出してしまい、顔を赤くする私にさやかさんは「熱あるんじゃないの?」と心配してくれた。
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