エリート上司と秘密の恋人契約
「でも、もうそんなことを言われても元には戻れないし、話も出来ない……」


「でもね、美弥……ああ、もう時間がない。早く食べなくちゃ。話の続きは夜にしよう。場所はあそこね。小沢くんも行くでしょ?」


「もちろんです」


昼休みがあと10分で終わってしまうから、この話は夜に持ち越される。

そして、仕事帰りに私たちは居酒屋に入った。

奥の個室をいつの間にかさやかさんが予約してくれていた。平日だったからすんなり取れたそうだ。


「お疲れさま」とビールのジョッキを合わせてから話し出す。


「そういえば四人でここに来たときももう付き合っていたのよね?」


「そうだよ。ここを出て、星川とカフェに行こうとしたら、諸橋さんが引き止めたよな? 怖い顔してたけど、思い返せばあれは嫉妬していたんだろうな」


二人はいろいろと辻褄が合うと勝手に盛り上がる。ここまで推測されてしまうとやっぱり違うとは絶対に言えない。

話は和真とこの先どうするかになっていく。
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