エリート上司と秘密の恋人契約
「諸橋くんも後悔していると思うのよねー。だから、帰ってくるまで待っていて、よりを戻すのもありだと思うわ」


「でも、1年は長いですよ。もし諸橋さんが向こうでパートナーを作ってしまったら、待っていた星川が惨めな思いをするだけで、かわいそうになる」


さやかさんの言うことも小沢の言うことも頷けることだ。でも、これは私自身の問題だから、二人のアドバイスをもとに私が決めなくてはいけない。

和真を待つかどうか……。

「さやかさん、ありがとうございます。小沢もありがとう。まだ気持ちの整理は出来ないけど、かず、諸橋さんのことは終わったこととして、受け止めようと思う。来年、戻ってきたときにどうなるかは想像も出来ないけど、待つことはしないでいたい」


1年後、また和真に求められたら応じるかもしれない。でも、待っていたとは思われたくない。だから、待たない。私にだって、プライドはある。


「そうね。美弥のいう通り、先のことはどうなるか分からないから待つことはないわよね。他にいい人が現れたら、そっちにいけばいいもね!」


小沢はうんうんと頷く。
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