エリート上司と秘密の恋人契約
夕方6時になり、私たちはタクシーに乗った。和真は私を送ってからお兄さんの家に行く。
「車はお兄さんちに預けてあるんだよね?」
「楽しんで乗っているらしいよ。チャイルドシートも乗せるとか楽しそうに話していたよ。でも、生まれる頃に俺は戻るけどね」
「クスッ。しばらく貸してあげたらいいのに」
「冗談じゃない。俺の車だ」
来年の春に和真はおじさんになるそうだ。こんなふうに嫌そうにしているけど、実は和真も楽しみにしているようで、「男でも女でも着れる色は黄色かなー」と生まれてくる子の服を買う気満々でいる。
春には楽しみが多い。生まれてくる子供も楽しみだし、日本に和真が戻ってくるのも楽しみだ。
和真が私の肩を抱いてきたので、和真の肩に頭をのせた。あと五分くらいで私の家に着いてしまう。
別れたくない。
離れないで、置いて行かないで。
「美弥、ありがとう」
「えっ? 何が?」
どうしてお礼を言われるのか分からない。
「車はお兄さんちに預けてあるんだよね?」
「楽しんで乗っているらしいよ。チャイルドシートも乗せるとか楽しそうに話していたよ。でも、生まれる頃に俺は戻るけどね」
「クスッ。しばらく貸してあげたらいいのに」
「冗談じゃない。俺の車だ」
来年の春に和真はおじさんになるそうだ。こんなふうに嫌そうにしているけど、実は和真も楽しみにしているようで、「男でも女でも着れる色は黄色かなー」と生まれてくる子の服を買う気満々でいる。
春には楽しみが多い。生まれてくる子供も楽しみだし、日本に和真が戻ってくるのも楽しみだ。
和真が私の肩を抱いてきたので、和真の肩に頭をのせた。あと五分くらいで私の家に着いてしまう。
別れたくない。
離れないで、置いて行かないで。
「美弥、ありがとう」
「えっ? 何が?」
どうしてお礼を言われるのか分からない。