エリート上司と秘密の恋人契約
恋愛は複雑に
成田からニューヨークまで12時間半くらいだから、和真はもう着いたかなとオフィスの前で空を見上げる。

今、ニューヨークは何時だろう。時差は、13時間。今、こっちが朝の8時半だから、あっちは昨日の19時半かな。

まだニューヨークは日曜日。寝て起きたら出社するのかな?

時差ぼけを直すために休むのかもしれない。

今、和真がどんな状況にいるのか分からなくて、何で聞いておかなかったのだろうと悔やむ。

聞いておけば、和真が何をしているか想像出来たのにな。


「美弥、おはよう! そんなところでどうして立ち止まっているのよ。ほら、行こう」


「あ、はい。おはようございます」


さやかさんに背中を叩かれて、一緒に入る。


「それはそうと、どうだったの? やり直すことになった?」


「あ、あの、えっと……あー、あとで話しますね」


「えー、勿体ぶるのね。まあ、いいわ。昼休みに話してね」


やり直したといえば、やり直したけど、また別れた。こんなのやり直したとはいえないかな。

発表会の日、さやかさんは心配してくれていたけど、和真と会うことを話したら、応援もしてくれた。


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