エリート上司と秘密の恋人契約
「そうそう、目的を忘れるところだった。はい、遅れたけど、誕生日おめでとう」


「ありがとう」


蕎麦屋のテーブルに似合わない水色の箱が置かれる。箱にかかっている白いリボンをほどいて、そっと蓋を開けた。


「わあ、きれい！」


「つけてみて、きっと似合う」


シンプルな一粒ダイヤのネックレスを取り出して、つける前にじっくりと見る。

永遠の輝きと言われるダイヤモンド。これを身に付けたら永遠の愛が手に入る？

和真との永遠の愛……ううん、そんな深い意味は込められていない。勘違いして舞い上がってはいけない。

だけど、このネックレスには何の罪はないし……


「どうかな？ 似合っているかな？」


「うん。思った通り、似合うよ」


ほとんど家と会社の往復しかしていなかったという和真は、その通り道にあるジュエリーショップのショーウィンドウにたまたま目を向けたら、このネックレスが目に留まったそうだ。
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